ネネは世界に在った。
自分がどこから来たのかも、ネネは知らなかった。
けれど言葉を知っていた。
言葉をもってただ在った。
「世界は真っ白に輝いて、こんなにも美しい」
ネネは言った。
誰にともなくただ言った。
「世界は真っ白に美しく、こんなにも寂しい」
ネネは思った。
誰に伝えられることもない想い。
世界は一面雪に埋もれ、静かな光に輝いている。
そんな世界をネネは眺める。
屋根の上にちょこんと座って、ネネは見つめる。
どこまでも雪に覆われた地球を。遠くまで。
「あー、世界というのは悲しく、こんなにも愛おしい」
ネネは言った。
たしかに言った。
美しい世界はただただ白く、ネネは世界にただ在った。
最初この物語に『ネネ』はいませんでした。いたのは『僕』です。
ところがある瞬間突然にネネが現れて、僕が消えました。
ネネはとても小さくて、とても悲しそうでした。
ただ世界を眺めていただけの僕はネネの悲しさに埋もれていきました。
ネネが現れたことで、僕が見ていた世界についてわたし自身が感じていたものが
とても鮮明に浮かびあがりました。
それをすくいあげ表現する言葉と文章力・構成力を持たない自分が
少し悔しくて、恥ずかしいです。
書くことは難しい。
改めて(たぶん少しだけ)知りました。